ありがとうおめでとう愛してる（スザ＋ルル）

「生徒会のみんなからもたくさんプレゼント貰ってたね」

この日一日の収穫は、本人が驚いた顔で「あまり知らない人からも貰ってしまった」と言うだけあり、とても一人では持ち運べないほどの量になっていた。ありがたいことだな、と照れた苦笑を広げるルルーシュと一緒に、何度か往復してプレゼントを彼の部屋に運んでいく。
黙々と往復するうち、ルルーシュが好きそうなものが部屋いっぱいに並んでいくのを見て、僕は何だか嬉しくなった。

「生徒会のみんなの、これで最後だ」

多分自分でラッピングしたのだろう、大きくて派手な会長のプレゼント、可愛らしいシャーリーのもの、ああ、あれはきっとリヴァルのかな。
ロロにはもう貰ったんだよ、と言いながら生徒会のみんなからの物を抱えたルルーシュは、今日で一番幸せそうな顔をした。

「スザクも、手伝ってくれてありがとう」

「ううん、役にたって良かったよ」

（…じゃなくて）

滅多に見られない彼のほころんだ顔を見ていて気付く、忘れるところだった大事な用事。

「あのね、ルルーシュ」

「なんだ」

さっきも仲間と一緒に言ったけど、ちゃんと言わなきゃ。

「誕生日おめでとう」

「あ、あぁ…ありがとう」

ちょっとびっくりした顔のルルーシュは、口をもごもごさせて、僕から目をそらした。

「ルルーシュ？」

なんだよその反応は、とトーンに乗せて呼びかける。
ルルーシュは、違うんだとか変な言い訳をして、

「あー…、よくわからないが今、すごく嬉しくて」

なんて言ったらいいのかわからない、ちょっと待ってくれ整理するから。そう言って彼はまた視線を僕から遠ざけた。

その横顔、眉毛がハの字に曲がってるくせに、唇はすごく嬉しそうで。

泣きそう、と思ったんだ。

「ルルーシュ、ちょっと泣きそうでしょ」

「ちょっとだけな」

嬉しい。と独り言のように呟いたルルーシュに、僕も泣きそうになった。

ルルーシュは愛されているべきなんだと、そして愛されているんだと思うと、信じてもいない神様に感謝したくなる。

「それでね、僕からもプレゼントがあるんだ」

普段そんなことしないから、すごくすごく悩んで、でも自分だけで選びたかったから、友達には一切相談せずに選んだもの。
さっきの流れで前を向いていたルルーシュが、意外そうな顔でこっちを見る。
ひどい、ちょっと傷付いた。

「その表情はないよルルーシュ！」

「悪い、ちょっと意外だった。でもスザク、ありがたいんだがこの状況で言わなくても、」

重くはないんだが、ほら、両手がふさがってるのにと箱を持ち上げてみせる。
違うよ、だから言ったんじゃないか。

「うん。だから僕が付けてあげるよ」

「…それをされるのもちょっとな…」

部屋についてからじゃだめかとか言うルルーシュを押し切り、とりだした小さい箱。中には普通のネックレスと間違うような小さなロケットが入っている。悩んで悩んで悩んだもの。
ムードも何もないなと思いながら立ち止まって、彼の細い首に手を伸ばした。

「あ、やっぱり似合うね」

「……ありがとう」

基本的にルルーシュに似合わないものはないけど、こうして確認するとすごく似合ってる。うん。自画自賛だ。

「スザク、これ、ロケットか？」

「あ、よくわかったね」

「形が……ってなんだこの写真は」

片手に荷物を乗っけて、ぱか、とルルーシュが開けたロケットには、僕と彼の写真を入れておいた。最初に入っていた厚紙が妙に味気なくて、急きょアルバムを漁って入れ替えたものだ。
ひょいと彼の首に光る実物を覗き込む。

「いい笑顔じゃないか」

「ばか、ロケットに男友達と自分の写真を入れてるやつなんかいないだろう！」

「言ったなー！はは、なんとなく入れてみただけだから、入れ替えちゃっていいよ」

お母さんや、ロロにするのかな。使ってくれるならそれでいいや。

「全く……でも、ありがとう。大事にする」

ふふ、と彼らしく優雅に笑ってロケットは閉じられた。



「お前の誕生日には同じようなことを仕返してやろうかな」

「やった、楽しみにしてるよ！」

「馬鹿。嘘に決まってるだろ！」

全く、とため息を吐くルルーシュも、今日はやっぱりうれしそうだ。
本当に、祝えてよかったなと改めて思った。


願わくば、あの写真が誰かのものと入れ替えられることなく、むしろ毎年更新
されていければいいな。
それから、こうして彼がいつまでもいつまでも変わらぬまま、僕に、みんなに愛されていればいい。

そんな君と一緒にいるのが、みんな大好きなんだよ、って

いつか、言えたらいいな。







今年のMVPは間違いなくギアス及びスザルル及びルルーシュでした。最終回はまだ見かえせないです。追い詰められていく後半も、同じく。ヘタレながらも一生懸命見て、あのころは本当にギアスで生活が回ってました。 自己犠牲に見える最期、あれは彼自身からすると犠牲ではなく達成だったのだろうかとか、考えれば考えるほどまた深みにはまります、が
 


そんなことより



おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！大好き！！！！！幸せになれよ！！！！！！！！！！！！！約束だ！！！！！！！！！！！！！ああああああああああああ好きだあああああああああああああああああああ！！！！！！！！！！！！！